第52章

天宮徳臣は冷ややかに言い放った。

「それは不具というものだ」

長島補佐は冷や汗を流しながら答える。

「では……他には?」

天宮徳臣は彼を見据え、眉を寄せた。

「他の、別の病気でも構わん」

そう言われて、長島補佐はふとある人物を思い出した。

「下の階のデザイン部の天瀬光春……あの天瀬部長ですが」

「聞くところによると、不妊症に悩んで方々の病院を回っているそうです。中年になっても子宝に恵まれず、相当焦っているとか。そういえば、今回も半月の休暇を取って、寺に子授け祈願に行くと言っていました」

「明日には出社するはずですが、彼ではどうでしょうか?」

長島補佐はそれなりに長く自分の...

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