第53章

湯気が立ち込める浴室の中。

天宮徳臣の一糸まとわぬ姿が、不意に早乙女珠妃の目に晒された。

天宮徳臣の顔に浮かんだ微かな狼狽を見て、早乙女珠妃の心に悪戯心が芽生える。

彼女は一歩近づくと、軽薄かつ妖艶な笑みを浮かべた。

「何をそんなに。初めて見るわけでもないでしょう?」

さらに顔を寄せ、言葉を続ける。

「薬湯の刺激で血管が収縮するから、かなり痛むはずよ。どう? 我慢できそう?」

天宮徳臣は全身が焼けるように熱く、さらに肌の奥深くにある血管が針で刺されるように痛んだ。彼は歯ぎしりしながら絞り出す。

「人を呼べ。……出るぞ」

そう言って浴槽から這い出ようともがくが、早乙女珠妃に容...

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