第83章

早乙女珠妃は頬を微かに赤らめた。

「私……」

「水か?」

 天宮徳臣はそう言うと、身を起こしてコップを差し出したが、早乙女珠妃は受け取ろうとしなかった。

 天宮徳臣は眉をひそめる。

「傷が痛むのか?」

 早乙女珠妃は尿意を我慢するのが限界で、観念したように口を開いた。

「お手洗いに……行きたいの」

 これには天宮徳臣も気まずさを隠せず、咳払いを一つした。

「待っていろ。人を呼ぶ」

 すぐに使用人がやって来て、早乙女珠妃を支えてバスルームへと連れて行った。用を足して出てくると、天宮徳臣はすでに寝室から姿を消しており、早乙女珠妃はほっと胸を撫で下ろした。

 一階に下りた天宮...

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