第99章

その光景を目にして、鶴田詠子の興奮は頂点に達していた。

馬田学長が直々にお出ましだ。さあ、早乙女珠妃、どうやってこの場を収めるつもり?

彼女が高みの見物を決め込んでいた、その時だった。意外なことに、馬田学長は満面の笑みを浮かべ、早乙女珠妃に向かって恭しく腰を折ったのである。

「これはこれは、早乙女さん。いらしていたのなら、どうして一声かけてくださらなかったのですか。私としたことが、学長室でずっとお待ちしておりましたのに」

「私も今、着いたばかりよ」

早乙女珠妃の表情は淡泊そのもので、馬田学長のへりくだった態度にも慣れっこであるかのような素振りだ。

この光景には、鶴田詠子たちだけで...

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