第5章

エララ視点

 目を開けるより先に、私の手は自分のお腹を探り当てていた。

 平らで。空っぽだった。

「私の、卵……」身を起こそうとした瞬間、全身が悲鳴を上げた。皮膚の隅々まで、砕けたガラスの上を引きずられたかのような激痛が走る。「私の卵はどこ――!」

「動くな」

 その声。低く、落ち着いた響き。この世界で唯一、私に絶対の安心を与えてくれる声。

 視界が揺らぐほどの勢いで、私は首を巡らせた。

 彼がベッドの傍らに座っていた。一糸の乱れもなく撫でつけられた銀糸の髪。影龍の一族――影の王族特有の、深い紫黒の瞳。

 ダリウス・ドレイヴン。影竜族長。竜評議会七席のひとりであり、影の玉座の...

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