第9章

ドアを押し開けて中へ入ると、長テーブルの両側に座っていた長老たちが一斉にこちらを振り返った。空気が三秒間、凍りついた。

司が上座から跳ね起きる。椅子が耳障りな音を立てて後ろへ下がった。

「沙耶?」

彼の声が喉で詰まる。

「お前……」

「説明させてくれ――」

「何を?」

私は彼に歩み寄った。

「愛してるって言いながら、どうやって父さんを殺したか? 私が流産した日に、別の女の妊婦検診に付き添っていたこと?」

「裏切るべきじゃなかったのはわかってる、だが……」

「これは裏切りじゃないわ」

私は彼の言葉を遮り、静かに告げた。

「これは海よりも深い、血の因縁よ」

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