第121章 女を一人片付ける

黒崎家の旧邸、その書斎で。

黒崎明信は海の向こうからの電話を切るなり、顔を曇らせた。沈みきったその表情は、今にも水が滴り落ちそうなほどだ。

桜井美桜という駒はもう死んだ。

桜井結衣に傷一つ付けられなかったばかりか、逆に自分まで巻き込まれ、老当主の前で完全に信用を失った。

――許せない。

明信は葉巻に火をつけ、白い煙をゆらりと立たせながら、別の番号へ指を走らせる。

コールが繋がる。受話器の向こうから、濃いテキサス訛りの英語が飛んできた。

「黒崎さん。この時間に連絡とはね。厄介ごとに当たったみたいだ」

「カル、助けが要る」

黒崎明信は回りくどい前置きを捨てた。

電話口のカルは...

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