第133章 まだ最後の切り札がある

記者たちの顔は興奮で輝いていた。名門の醜聞が、いままさに生中継で暴かれる――その瞬間を見届ける気満々だ。

だが「プロメテウス」指揮センターの空気は、正反対だった。

「『ハニカム』、対象をロックしました」

技術担当が報告する。声には、抑えきれない高揚がわずかに混じっていた。

「桜井美桜が暗号化番号と交わした通話、計5本を傍受。暗号メッセージは37件。復号完了です」

「声紋照合、一致。相手は黒崎明信の元運転手、佐藤海斗」

大スクリーンに、解読された文面が次々と再構成されていく。

結城南は、そこに並ぶ桜井美桜の寝言みたいな宣言を見て、堪えきれず吹き出した。

「うわ……頭、ドアに挟ま...

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