第146章 最初に忘れられた人

「はあ!?」

結城南の声が、いきなり裏返った。

「記者会見だって? 今このタイミングで? あの連中、あんたを食いちぎるよ!」

「病院の心臓外科、 高橋先生の詳しい経歴を用意して。できるだけ細かく。それと警察官を二人、手配して。10時に会見場の入口で待っててもらう」

受話器の向こうが、ふっと無音になる。

五秒。まるで情報を噛み砕いているみたいに。

「……おい、結衣。何する気だよ」

……。

午前9時50分。黒崎グループ本社ビル。

1階の記者会見場は、港城じゅうの報道陣で埋め尽くされていた。

長いレンズ、短いレンズ。林立するカメラ。

フラッシュがばちばちと連打され、空気が焼け...

ログインして続きを読む