第15章 彼女の弱みを握りたい?まだ甘い。

彼は、隣にいる女が同じ姿勢のまま長く息を吐き続けたせいで、呼吸が少しだけ引き伸ばされた音になっているのを、はっきりと聞き取っていた。

どれほど時間が過ぎたのか。十分かもしれないし、三十分かもしれない。

桜井結衣の強張っていた肩が、ようやく一瞬だけ緩んだ。

彼女はもう一度、あの「モバイルバッテリー」を取り出し、機器に接続する。

画面には「Toxin-7」を示す曲線。橙色の警戒域から、なだらかに下がって緑の安全域へ戻っていた。しかも、まだ下がり続けている。

――間に合った。

成功を確認した瞬間、濃い疲労がどっと押し寄せた。

カフェから黒崎家に戻ってからずっと、神経は極限まで張り詰め...

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