第17章 繰り返し奪い合うとは、まったく愚かの極みだ

「さあねえ」

桜井楓が鼻で笑い、いかにも軽い調子で続けた。

「見ろよ、あの格好。いっぱしの顔して座ってるけど、中身は相変わらず舞台に上がれない野良娘だろ」

一拍おいて、何か思い出したように肩を揺らす。

「まさかアイツも競りに来たとか? 何で落とす気だよ。黒崎家がくれた端金の結納で? 冗談きついって。こっちはパーク一帯の土地だぞ」

桜井智也は返さない。視線だけをすっと引き、目の奥の嘲りがいっそう深くなる。

智也にとって、桜井結衣がここにいること自体が滑稽で、目障りだった。

理由を掘る気にすらならない。どうせ取るに足らない、ただの余計な挿話だ。

結衣は二人の口元と表情をそのまま見...

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