第170章 誰が何もかも顧みないだろうか

「レポート。予測、3分21秒です」アテナの柔らかな電子音が響いた。

「十分」

桜井結衣の十指がコンソールの上で目にも止まらぬ速さで踊る。

スクリーンにはビル全体の立体構造図。無数のコードが奔流のように走り抜けた。

「C1からC7区画までの連動換気ダクトを全停止。C区内部の窒素置換システムを起動。気圧を臨界点以下まで落として」

「指令を実行しました」

「C区から本館へ通じる物理ゲートを全ロック。レベルは最高。外部からは解除不可に設定」

「指令を実行しました」

「C区内部の監視映像を、リアルタイムで私の端末へ転送」

「指令を実行しました」

三つ目の指示を出し終えた、その瞬間。...

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