第41章 愚か極まりない

桐山嵐子は考えれば考えるほど恐ろしくなり、目の前がぐらりと暗転した。

彼女は勢いよく息子の腕をつかむ。

「……あの子がそれを口にしたとき、周りに……周りに、聞いてた人はいたの?」

「知るかよ!」桜井楓は母の異様な反応に、いっそう苛立ちを募らせた。「そのときは人が行き来してたんだぞ。誰が耳そばだててたかなんて分かるか! 母さん、今それ気にして何になる? 問題は桜井結衣だ。あのクソ女、変わったんだよ。今じゃ俺たちを脅してくる!」

「黙りなさい!」

桐山嵐子が鋭い声で遮る。

「あなたに何が分かるの。体面と、うちの将来――どっちが大事? エリート弁護士を名乗りながら、田舎育ちの娘の二言三...

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