第43章 羞憤で死にたくなる

桜井結衣の言葉が落ちた、その瞬間――会議室は、ぞっとするような静寂に沈んだ。

空気が固まったみたいに重い。呼吸の音さえ消え、誰もが喉の奥に息を飲み込んだ。

冗長で、しかもやたら専門的な医学用語の連なり。

それはまるで、狙いすました平手打ちだった。寸分違わず、桜井美桜の頬を叩きつけるように。

美桜が必死に貼りつけていた「か弱くて、気が利いて、誰の味方にもなれる」表情が――少しずつ、剥がれていく。

血の気がすうっと引き、残ったのはみっともない狼狽だけ。

CAR-T細胞免疫療法って、何。

オフターゲット効果って、何。

文字は知っている。単語も見たことはある。

なのに、繋がった瞬間...

ログインして続きを読む