第77章 決着がつく

桜井智也は、そこに表示されたQRコードを睨みつけた。握り締めた拳が、力みすぎて小刻みに震えている。胸が大きく上下し――結局、スマホを取り出した。

「ピコン」

桜井結衣の端末に、澄んだ入金通知が鳴った。

500万。きっかり、一円たりとも違わない。

結衣は入金情報を確かめると、二人の目の前でタブレットを操作し、ウィンドウを開く。暗号化された動画ファイルのパッケージを選択し、『完全削除』をタップした。

「取引成立」

それだけ言って、桜井結衣は踵を返す。迷いも未練も、かけらもない。

結城南は得意げに二人へ舌を出し、鼻歌交じりで後を追った。

扉が閉まる。兄妹の、みっともない顔色だけが外...

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