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新谷結奈の嗚咽まじりの声を聞いた瞬間、藤井翼の胸の中はぐちゃぐちゃに絡まった糸みたいになった。手元の仕事を全部放り出し、上着をひっつかむと、そのままドアへ向かう。

中村賢也は、その慌ただしさを見た途端に「ただ事じゃない」と察し、慌てて後ろを追った。

歩きながら中村が報告する。

「藤井社長、現時点で新谷さんの周辺に事故などの異常は確認できていません」

藤井翼は眉間に深い皺を寄せたまま言う。

「武田悦子に電話しろ。新谷結奈がどうしたのか聞け」

「はい」

中村賢也はすぐスマホを取り出し、武田悦子へ発信した。コールは短く、すぐに繋がる。

「武田さん、こんばんは。中村賢也です」

「分...

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