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新谷結奈は藤井翼を、期待に満ちた顔で見つめた。

「……ほんとは、何?」

「いや、何でもない」

藤井翼は、喉まで出かかった言葉を飲み込んだ。

本当は言いたかった。――君が、俺の考えを変えたんだ、と。

少し前まで、彼はもう受け入れていた。残り時間を数えながら、死を待つしかないのだと。

けれど新谷結奈が現れてから、彼は思うようになった。生きたい、と。

ただ、それはあまりに重い。今、口にするには早すぎた。

藤井翼がこんなふうに言い淀むのを、新谷結奈は初めて見た。彼女は一度、大きく息を吸う。

「翼さん。……抱きしめてもいい?」

藤井翼は一瞬、きょとんとした顔になり、それから小さくう...

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