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空気が妙に静まり返っていた。男だけじゃない。新谷結奈もまた、新谷家の人間が何を言うのかを待っていた。

自分はもう誘拐されているのだ。新谷家なら、せめて一本くらい電話を入れて、真偽を確かめようとするはず――普通は。

……結局、山口拓也を頼るのは無理そうだ。ここまで時間が経って、外はもう真っ暗。きっと夜8時は回っている。

受話器の向こうから、苛立ちをそのまま叩きつけるような声が飛んできた。新谷奈津子が怒鳴り散らす。ひとつひとつの言葉に、刺々しい毒が混じっている。

「新谷結奈! あんた、どんな腹黒いこと考えてるの? わざと邪魔してるんでしょ? 今日は浩市兄さんの誕生日会なのよ! こんな下品...

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