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藤井翼はいつになく真面目な顔で言った。

「どんな頼みだ?」

新谷結奈は大きく息を吸い込み、相当な覚悟を決めたように口を開く。

「もう病院に一人で泊まりたくない。翼さんのマンションに住みたいの。新谷家の人間なら、あなたのマンションで好き勝手できないでしょ」

藤井翼の長い睫毛が、かすかに揺れた。だが返事は迷いがない。

「わかった。結奈、お前が望むだけ、俺のところにいろ」

新谷結奈の目尻に、ようやく笑みが灯る。

「ありがとう、翼さん。あなたがいなかったら、私……本当にどうしたらいいか分からなかった。今は師匠の家にも戻れないの。戻ったら、きっと心配させちゃう」

藤井翼は表情を崩さない...

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