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市内初の格安オークション。ネットで散々煽られて、話題だけは先に独り歩きしていた。主催の山口拓也ですら、ここまで人が集まるとは思っていなかった。

用意した出品はたった十点。ところが会場に押し寄せたのは四、五百人。黒い塊みたいな人だかりが、即席のオークションスペースをぐるりと取り囲んでいる。

新谷結奈と武田悦子は、肩をぶつけ合いながら人波を縫って進んだ。二人が覗き込んでいるのは、広告ボードに貼られた出品リスト。その中に、新谷芽衣のブレスレットも載っている。

武田悦子が「ちっ、ちっ」と舌を鳴らし、呆れたように首を振った。

「山口拓也が頭おかしいのはまだしも、新谷芽衣まで一緒に発狂するとか、...

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