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中村賢也は藤井翼のことをよく理解していた。

「藤井社長の性格は、君も知ってるだろ。女性には冷淡だし、耳触りのいいことも言わない。だから、わざわざ一緒にいたいって思う女もいないんだよ」

「でも、名家のお嬢さまたちは皆、社長に嫁ぎたがってるって……?」新谷結奈は首をかしげる。

もし何かが変わってしまったら、自分が「経験したはずの未来」を握れなくなる。数年後に爆発的に伸びるはずだった業界が、消えてしまう可能性だってある。

それじゃ稼ぎ道が一気に厳しくなる。投資の利益を待つだけじゃ間に合わない。いくつか掛け持ちしてでも、手元資金を作らないと。

そのとき、背後から藤井翼の声が、ゆるく落ちてき...

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