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重苦しいはずだった休憩室の空気が、いきなり艶を帯びて――それでいて、どこか居心地の悪い沈黙に変わった。

新谷結奈は唇をきゅっと結び、こほん、と咳払いをひとつ。平気なふりで肩をすくめる。

「キスくらいで、大げさですね」

「……くらい、だと?」

藤井翼が眉間にしわを寄せた。

その視線に、結奈の胸がひゅっと跳ねる。それでも引くわけにはいかず、強がってうなずく。

「緊急事態でしたし。人工呼吸って、相手が誰でもやります。男とか女とか、子どもとか大人とか関係ないです。命が先ですから。……それに藤井社長だって、今までいろんな女性にキスしてきたでしょうし。気にしなくていいです」

藤井翼は薄い唇...

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