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新谷結奈が車内に押し込まれた瞬間、脚を跳ね上げ、渾身の力で男の股間を蹴り上げた。

「ぐっ……!」

男は痛みに眉をひそめ、片手をぎゅっと握り締める。

「新谷結奈……お前、うちの新谷家を断絶させる気か?」

その声で、ようやく結奈は相手の顔を見た。白昼堂々、路上で自分をさらった犯人――新谷家の長男、新谷陽向。

結奈は脚を引っ込め、鼻で笑うように陽向を見据えた。

「新谷陽向。誰が不意打ちしていいって言った?」

新谷芽衣と新谷浩市の件だろう。直接連絡もせず、話し合いもしないで、いきなり拉致同然の真似。これで終わるはずがない。次の手も用意しているに決まっている。――油断はできない。

陽向...

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