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武田悦子は少し緊張した面持ちで、「私……できますか?」と小さく尋ねた。

馬術は習っていたし、神楽にも乗ったことはある。けれど試合は大事だ。神楽と息を合わせるのも久しぶり――もし負けたらどうする?

新谷結奈は悦子の手をぎゅっと握った。

「先に行って。私は証拠を探してくる」

背後から、わざとらしくゆったりした足取りが近づく。

「お姉ちゃん、これってさすがに恥ずかしくない? いっそ棄権したら? あとで惨めになるよりマシだよね」

新谷芽衣だ。心配しているふうの笑み。けれど瞳の奥には、挑発が露骨に滲んでいた。

結奈は振り返り、静かな顔のまま冷えた視線を芽衣へ走らせる。

「私たちの賭け、...

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