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中村賢也は校門前に立つ鈴木副校長の姿を一目で捉えると、表情ひとつ変えず運転手に合図して速度を落とさせた。

窓ガラスがするすると降りる。中村は落ち着いた姿勢のまま、淡々と切り出す。

「鈴木副校長。ここで何を?」

鈴木副校長はきょろきょろと周囲を見回していたが、中村の声に気づいて振り向き、やけに丁寧な口調になった。

「中村さん。新谷結奈さんを待っているんです。記者会見の会場まで迎えを出したのですが、見つからなくて」

後部座席の新谷結奈は、目の奥に嘲りを浮かべた。

――やっぱり。鈴木副校長は新谷家のために動いている。わざわざ会見場まで人を出すなんて、下手をすればそのまま車に押し込んで新...

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