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新谷結奈は、藤井翼が自分を見つめる視線にまるで気づかないまま、彼の手を引いてフロントまで一気に歩いた。

スタッフへ視線を向け、自然体のまま言う。

「チェックインお願いします。さっきの人、私たちの友だちなんです。向かいの部屋にしたくて」

「先ほどの男性のお連れさまですか? ですが、あちらはそうおっしゃっていませんでした」フロントが小さく目を瞬かせる。

新谷結奈は軽く咳払いし、いたずらっぽく目を細めた。

「恥ずかしがり屋なんですよ。ほら、あの人……ここの常連じゃないですか。でも今日は連れが違うから、あんまり周りに言えないみたいで。内緒にしてあげてくださいね」

山口拓也が上客のVIPだ...

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