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観客席から飛んでくる笑い声が、やけに耳に刺さった。けれどそれも、背後を抜けていく風にほどけるように、少しずつ遠ざかっていく。

新谷結奈は手綱を握る指に、まだ余計な力を入れていない。姿勢もどこか気だるいほど落ち着いていて、神楽に無理を強いる気配がまるでなかった。

後ろの騎手たちは、そんな結奈を見て舐めたのだろう。

――新谷結奈も大したことない。

そう思ったのか、一人また一人と、前へ出ようと必死に仕掛けてくる。

その瞬間を待っていたかのように、結奈はゆっくりと速度を上げた。

数呼吸もしないうちに、新谷芽衣の背中へ追いつく。

神楽が芽衣の横をすっと抜けた。

結奈と神楽が目の前を通り...

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