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観客席から、ひゅっと息を呑む音が連鎖する。あちこちで悲鳴まじりの声が上がり、場内の空気が一気に張り詰めた。

武田悦子は両手で柵を握りしめ、神楽から目を離せない。心臓が喉までせり上がってくる。

新谷結奈が落ちれば、軽くても打撲で数日は痛む。

ひどければ骨折――後に残る怪我だってあり得る。

それ以上に怖いのは、後続の騎手たちが追いついたとき。避けきれなければ踏みつけ事故になる。想像しただけで背筋が冷えた。

藤井翼の表情がすっと冷え、スマホを取り出して怒鳴る。

「救護班、今すぐ競技場入口に待機! 急げ!」

振り落とされる、その寸前。

新谷結奈は強靭な腕で手綱にしがみついた。

神楽...

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