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新谷結奈は慌てて振り返り、周囲を見回した。誰も自分を見ていないと確かめると、そっと息を吐く。

藤井翼はもう別館に入ったはず。自分のことなんて気にも留めない。今日だけは――ひとまず安全。

そう思った途端、肩の力が抜けて、体まで軽くなった。

……その瞬間だった。

人工池の縁に立っていたことも忘れ、踵を返して歩き出す。右足を一歩踏み出した――はずが、足裏に地面の感触がない。

踏み外した。

ぐらり、と視界が反転し、体が後ろへ倒れていく。

「あっ!」

水に落ちたら、どれだけ痛いのか。想像しただけで背筋が冷える。けれど周りは妙に開けていて、掴めるものが何もない。

水面まで、あと半メート...

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