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藤井翼は今日、やけに新谷結奈に無意識のうち惹きつけられてしまう。彼は顔をそらし、前だけを見たまま言った。

「君と、君の師匠のもてなしに感謝する」

新谷結奈は腕を組み、口元に笑みを浮かべる。

「翼さん、私のごはんが気に入ったなら、いつでも作ってあげるよ。でも家庭料理でも、料金は市場価格でいただきます。裏メニューは特にね」

彼女が藤井翼に冗談を言うのは、もう当たり前になっていた。当たり前すぎて、本人は自覚すらしていない。藤井翼の前では、言葉を選ばずに口にできることが増えていた。後先なんて、いちいち考えなくていい。

藤井翼もつられて笑う。

「ほんと、金のことになると目の色が変わるな。金...

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