第101章

入江宝夢は、この家の掌中の珠ともいうべき存在だ。

その名前からも、彼女がどれほど溺愛されて育ったかが窺えるだろう。

そんな彼女が、あろうことか追い出されようとしているのだ。

考えれば考えるほど腹が立つ。他の人間には手が出せないため、彼女は再び篠崎アエミに矛先を向けた。

「うちは真正の名門なのよ。跡取りも産めないならさっさと出ていきなさい。場所を空けな!」

「ええ、喜んで!」

憤りのあまり、つい本音が口をついて出た。

篠崎アエミが言葉を発した瞬間、部屋の中が水を打ったように静まり返る。

空気の異変に気づき、アエミはしまったと焦った。彼女はうつむき、反省したふりで言った。

「お...

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