第102章

「おばあちゃん、落ち着いてください。誤解ですってば!」

篠崎アエミは祖母の体調を気遣い、慌てて言葉を重ねた。

「彼はただの同級生。この本を届けるために送ってくれただけなんです。ほら、見てください」

嘘ではないと証明するために、彼女は手元の本を差し出した。

祖母は字が読めないが、それが書物であることくらいは分かる。

「本当に、それだけかい?」

「おばあちゃん、安心してくださいよ。私はおばあちゃんの孫娘ですよ? 私のことが信じられませんか」

「お前のことは分かってるよ。でもね、世の中には誘惑が多いんだ。お前は正直者だから……」

祖母の説教が始まった。

延々と続く心配ごとの羅列。...

ログインして続きを読む