第105章

一時間が経過した。

テーブルの上の料理は手つかずのまま、ノートだけがびっしりと文字で埋め尽くされている。

林田涼子は篠崎アエミの肩を軽くつついた。

「もう、いい加減にしてよ。今日は食事がメインなんだから! 沖田先生、料理が冷めちゃいましたね。作り直させますから……」

「いやいや、適当につまむだけで十分だよ!」

個室の中は、食事と会話が進むにつれて熱気を帯びていった。

その時、外から聞き覚えのある声が聞こえてきた。

沖田先生が目を輝かせる。

「おや、あれは旧友じゃないか? ちょっと待っててくれ……」

彼女はハイヒールを鳴らして部屋を出て行き、手を振った。

「延一、こんなとこ...

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