第116章

背筋が凍るような感覚。篠崎アエミは全身を強張らせた。背後の男があまりに強く押し付けてくるため、彼女の顔は冷え切った壁に密着してしまう。

情熱に火照った身体の熱が、氷のような壁に触れた瞬間、霧散していく。

「ほら、身体は正直だ。俺をこんなに欲しがってる」

男が突然耳元に顔を寄せ、情欲を孕んだ声で囁く。それはまるで、理性を溶かす誘惑のようだった。

篠崎アエミの脳裏に何かが閃き、身をよじって抵抗しようとしたその時、ドアの外から足音が近づいてくるのが聞こえた。

「あれ、どこに行ったのかしら。『無憂スタジオ』の人が中にいるんでしょ?」

「はい! さっき彼が入っていくのを見ました!」

「オ...

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