第119章

食事は数時間に及んだ。

レストランを出ると、篠崎は車で来ていたはずなのだが、林田がさっさとその車に乗って行ってしまった。

その様子を見ていた岩田は、微笑みながら助手席のドアを開けた。

「送っていくよ。撮影現場に行くんじゃないのか? 僕もちょうど、宮崎監督に顔を出そうと思っていたところなんだ」

「ええ、お願いします」

篠崎は変に遠慮することなく、素直に助手席へと滑り込んだ。

アクセルが踏み込まれ、車は勢いよく走り去る。

だが篠崎は気づいていなかった。少し離れた場所から、二人の挙動をじっと監視する視線があることに。

車が遠ざかるのを見届け、榎田は冷ややかに笑った。

「他の男の助...

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