第137章

篠崎アエミは片眉をぴくりと上げた。

「お好きにどうぞ。どうせこの件、私には関係のないことですから」

「関係ない、だと」

榎田神也は歯噛みしながらその言葉を繰り返し、漆黒の瞳に怒りの炎を宿らせる。

彼は大股で一歩踏み出すと、彼女をその腕の中に抱きすくめ、強引に唇を重ねた。

それだけでは飽き足らず、彼の手は制御を失ったかのように彼女の腰を這いまわる。

篠崎アエミは硬直した。荒々しい口づけに、心臓が喉から飛び出しそうになる。

まずい、火に油を注いでしまった。

彼女は視線だけを逸らし、窓の外を盗み見た。

昨日は衣装のトラブルで撮影が遅れ、向こう数日は遅れを取り戻すために過密スケジュ...

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