第138章

「お祖父様、ご心配なく。ここの撮影環境はとてもいいですから」

 お祖父様の気遣いに、篠崎アエミの目元がわずかに潤んだ。

 二、三の言葉を交わした後、お祖父様は慈愛に満ちた声で、一番気にかけていたことを口にした。

「もうすぐ正月だろう。戻ってこないか? 一家団欒といこうじゃないか。もちろん、向こうのお祖母様も呼んで、一緒にどうだ」

「いえ、お祖母ちゃんは近所の方と一緒のほうが気楽でいいみたいです。それに、私のほうも劇組(チーム)は休みがありませんから」

 篠崎アエミがそう告げると、電話越しでもお祖父様の声が沈んだのがわかった。

 彼女は申し訳なさそうに言葉を継ぐ。

「でも、贈り物...

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