第142章

中村景は目を輝かせ、すぐにスマホを取り出した。「ほら、もっと喋れよ。全部録音してやるからさ!」

返ってくるのは、男の豪快なイビキだけだ。

「ったく、俺が助けないわけじゃないぜ? お前が不甲斐ないだけだからな!」

中村景はスマホを構えたまま向かいの席に座り、決定的瞬間を逃すまいと待ち構えていた。

しかし、残念なことに。

丸一晩。

榎田神也は死んだように眠りこけ、揺すっても叩いても起きる気配すらなかった。

翌朝。

榎田神也は朦朧とした意識の中で目を覚まし、スマホの時間を見て飛び起きた。

「なんてこった、まさかここで一晩寝ちまうとは!」

向かいにいた中村景が大きなあくびをする。...

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