第145章

食卓にて。

榎田神也のスマートフォンが、けたたましく鳴り続けている。

おばあちゃんが興味津々な顔を向けた。

「誰からの電話だい? 仕事かい? 仕事は大事だからねえ」

「そうですよ、お仕事が第一ですから」

篠崎アエミは食事の手を止めず、顔も上げずに皮肉をこぼした。

榎田神也は、「…………」

無言で点滅を続ける画面を一瞥すると、苛立ち紛れに電源を切った。

「もう、あんたって子は。もっと可愛げのある言い方ができないのかい! 夫婦なんだから、互いに理解し合わなきゃ。それに神也は忙しいんだから……」

ぺしっ、と。おばあちゃんがアエミの肩を軽く叩く。

「はいはい、彼は世界一お忙しいで...

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