第147章

「当然よ!」

鈴木芽衣は中身を確認する素振りすら見せず、さらさらと署名した。

彼女の目には、この世界に榎田神也を騙そうとする人間など存在しないように映っているのだ。

だからこそ、そこに記された莫大な金額には気づかなかった。

林田涼子は契約書を宝物のように抱きしめると、脱兎のごとくその場を離れた。

鈴木芽衣は挑発的な視線を篠崎アエミに向けた。

「あの契約の件は片付いたわ。さあ、新しい依頼よ! 二億出すわ。私に服をデザインしなさい」

篠崎アエミは礼儀正しい笑みを浮かべたまま答える。

「申し訳ありませんが、当面の間、新規の依頼はお断りしております」

「なんですって? どうして?」...

ログインして続きを読む