第149章

「今日はおばあちゃんを見送ってきますね。出張から戻ったら、部屋を探そうかと……」

「なぜまた急に引っ越しの話になる!」

「私……」

榎田神也は顔色を変え、彼女を腕の中に閉じ込めた。

「許さん! それだけは譲れない」

その深く沈んだ瞳には、揺るぎない意志が宿っていた。

篠崎愛美は先に折れた。

「わかりました。仕事がありますので、お先に失礼します」

朝食後、篠崎愛美が今後のスケジュールを伝えると、おばあちゃんは慈愛に満ちた笑みを浮かべた。

「ああ、そうかい。私の孫は本当に優秀だねえ。安心おし、すぐに出るから送らなくていいよ。でも……」

おばあちゃんが台所から戻ってきた手には、...

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