第151章

ドンドンドンッ。

激しく、耳をつんざくような音。

まるでドアを叩き壊さんばかりの勢いだ。

まさか、あの男がここまで嗅ぎつけてきたのか?

心臓が早鐘を打つ。篠崎アエミは震える手でスマホを取り出し、警察に通報しようとしたその時、ドアの向こうから聞き覚えのある声が響いた。

「怖がるな、俺だ!」

ドアを開ける。

そこには、旅の埃を払う間もなく駆けつけたであろう、焦燥に駆られた榎田神也の姿があった。

彼は一歩踏み込むなり、篠崎アエミを力強く抱きすくめた。

「大丈夫か、怖かっただろう! もう安心しろ、俺が来たからには何も心配いらない!」

温かな抱擁。

それは無限の安心感を与えてくれ...

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