第168章

手術室を出て、篠崎おばあちゃんは病室へと運ばれた。

ベッドに横たわるお婆さんの顔色は紙のように白く、その目は固く閉じられている。篠崎アエミは堪えきれず、大粒の涙をこぼした。

「おばあちゃん、ごめんなさい……私がダメなせいで……私が、榎田神也なんかを好きになってしまったから……」

病室の入り口。

篠崎アエミの悲痛な泣き声が漏れ聞こえてくる。

榎田神也は胸をえぐられるような痛みを覚え、傍らに立つ林田涼子へと視線を向けた。

「一体、何があったんだ?」

「知らないなら、帰ってあんたの叔母さんに聞けばいいでしょ! 今さらここで善人ぶって何なの? あんたには『高嶺の花』がいるし、あんたの家...

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