第173章

「この件に関しては、感謝します」

 篠崎アエミはドアを大きく開け放ち、さっさと帰れと言わんばかりの態度を見せた。

 榎田神也は怒りを通り越して笑い声を漏らす。

「はっ……笑わせるな。なんだその態度は? 用が済んだらポイかよ。薄情な女だな」

 彼は拗ねたように篠崎アエミの目前まで歩み寄ると、その腰を強引に抱き寄せた。

「俺をなんだと思ってる!」

「どう思います?」

 篠崎アエミは答えず、逆に問い返した。

「どんな関係であれ、俺はこのまま続けたいと思ってる。お前が俺を求めた時、あるいは俺がお前を求めた時……」

 大きな手が彼女の身体を這い回り、その仕草はどこまでも艶めかしい。

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