第174章

警察署。

篠崎アエミは借りてきた猫のように背筋を伸ばし、酷く畏まって座っていた。

対照的に、安和雪はまるで自宅のリビングにいるかのように足を組み、シートに深く沈み込んでいる。その姿からは微塵も緊張感が感じられない。

常連であることは一目瞭然だった。

リラックスしすぎである。

一人の婦人警官が、頭を抱えながら安和雪に歩み寄った。「あーあ、お嬢様。いつになったらおとなしくなるの? 今度は何?」

安和雪は大げさに両手を広げ、やれやれといった表情を作る。「あたしだって被害者よ。殴ってくださいって顔した奴がいるからいけないの」

「はいはい、言い訳は結構! 前連れてこられた時は、猫を虐待し...

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