第175章

酒は微酔いに限る、泥酔は身を滅ぼす。

数杯の酒をあおり、足元がおぼつかない篠崎アエミは、ふらふらとホテルの自室へと戻ってきた。

部屋の前にたどり着き、ドアを開ける。まだ明かりをつける間もなく、暗闇からヌッと伸びてきた腕が、彼女の身体を強引に抱きすくめた。

バタン!

背後で重々しい音を立ててドアが閉まる。

鼻をつく濃厚なアルコールの臭い。篠崎アエミの心臓が早鐘を打ち、とっさに膝を蹴り上げ、相手の急所を狙った。

だが、上がった太腿は大きな掌にいともたやすく受け止められ、そのまま細い腰を抱え込まれる。

ドサッ。

彼女はベッドへと押し倒された。

耳元に吹きかかる灼熱の吐息。男の声に...

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