第183章

「見つかりました。もうご安心を。奥様は軽傷です。今から病院へお送りします! そちらで落ち合いましょう」

 安和博人の言葉を聞き、張り詰めていた篠崎アエミの糸がふっつりと切れ、安堵の涙が止めどなく溢れ出した。

「ありがとう……本当にありがとう」

「礼には及びません。今どちらですか? 車で迎えに行きましょうか」

「いいえ、病院の住所を送って。すぐに向かうから」

 通話を切る。

 篠崎アエミはもう立っていられず、その場に崩れ落ちるようにしゃがみ込み、頭を抱えて慟哭した。

 両手で顔を覆っても、指の隙間から涙が零れ落ちていく。

 その時、複数の足音が近づいてきた。

 顔を上げた瞬間...

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