第186章

知名度はうなぎ登りだ。

これで大金が転がり込んでくるはずだ。

篠崎アエミは興奮で胸を高鳴らせていた。手元のスマートフォンが振動し、安和博人からメッセージが届く。彼女の功績を祝いたいという誘いだった。

少し考えたが、断る理由はなかった。彼女はすぐに店の場所を送るよう返信した。


榎田グループ、社長室。

榎田神也は革張りの椅子に深く腰掛け、長い脚を組んでいた。デスクを指先でリズミカルに叩きながら、ネット上に溢れる「無憂スタジオ」への賛辞を眺めている。口元が勝手に緩んでしまうのを止められない。

「俺の嫁だぞ! ついに世界へ羽ばたいたか」

彼は独り言ちた。

「世間の男どもは見...

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