第204章

少し離れた廊下に、淑やかな装いの女性が佇んでいた。

身に纏うのは高価な衣服。その優雅で気高い雰囲気は、一目で名家の令嬢だと知れる。

だが、最も目を引くのは衣装ではない。彼女自身から滲み出る気品だ。

泰然自若として、優雅で従容としている。

まるで絵画から抜け出してきたかのようなその美貌は、道行く人々の視線を釘付けにしていた。

角度を変えて見れば、その整った顔立ちは、どことなく鈴木芽衣に似ているようにも見える。

榎田神也の視線が篠崎アエミへと注がれる。彼女はただその女性を品定めするように見ているだけで、嫉妬の欠片も見当たらない。榎田の心は谷底へと沈んでいく。

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