第205章

体力をいくらか取り戻した篠崎アエミは、ゆっくりと瞼を持ち上げた。「……それで? あなたに何ができるというんですか」

「いいから、さっさと起きて身支度をしてください! まだ大事な用件があるんですから」

個室で待ち受けているであろう上沢社長、そして入江宝夢たちの姿が脳裏をよぎる。

篠崎アエミは、ずきりと痛むこめかみを押さえた。

「あなたの叔母様が、今の私たちのこの姿を見たらどうなることか」

発狂して、罵詈雑言を浴びせてくるに決まっている。

榎田神也は表情を険しくし、しかしその瞳には確固たる意志を宿していた。「安心しろ。俺は誰にもお前を傷つけさせない。それがたとえ、俺の叔母であってもだ...

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